今日水曜日はクリニックの休みの日、以前から予定して黄檗宗萬福寺に普茶料理を食べに行ってきました。
9月のうちはさすがに京都暑いだろうと、10月を待って出かけました。
一度、三室戸寺にアジサイを見に行った時にお訪ねしたのですが、その時には何か行事が行われていて限定された部分しか見ることはできませんでした。
その時に見れなかった部分を見ることと、化学療法後安定しない胃腸の状態を考え、でも栄養状態を回復したい、と中国伝来の精進料理(普茶料理)を頂きに行きました。
普茶料理のコースの中には食事の前に1時間ほど住職様が懇切丁寧に境内を案内して下さるものがあり、
折角、行くのだからと言うことでそちらでお願いしました。
禅宗のお坊様というと少しいかめしいイメージを想像していたのですが、さばけた楽しいお坊様でリラックスした時間を過ごすことが出来ました。
記憶しているお坊様の言葉の少しをこちらでご案内しながら、読まれた方が萬福寺に興味を持って訪れて下さるようにお願いしたいと思います。
と言うのは観光客の方が本当に少なく、それはそれで雰囲気がとても良いのですが広大な敷地と代わりのない貴重な建物の維持に大変苦労されているとのことでしたので…
これが萬福寺総門
真ん中部分が高く、両端が低くなっている中国風の門です。
黄檗宗萬福寺、ご存じの方も多いと思いますが、江戸期江戸幕府の招請により中国から日本に来られた隠元禅師(いんげんぜんし)により開かれた禅宗の一派、黄檗宗の大本山です。
来日された隠元禅師は中国で同じ名前の寺の住職をされていらっしゃり、日本に来られた時に自分が住職をしていた寺と同じもの、同じ名前で造られたそうです。
写真の総門をくぐり、次に出てくるのは大きな三門です。
禿げ頭の私が写ってしまっていますが、そこは御勘弁…(しかし、なかなか髪が生えないな…)
中国式と言うことで右左の建物が完全に左右対称に建造されています。すべての建物が回廊でつながっています。
左側の部分から始め、奥まで至って右側の部分をご説明頂いて、それから食事…。
回廊にはたくさんのランタンが吊り下げられ、灯りをともした夜間拝観の趣向を考えているとのことでした。さぞかし幻想的な美しい雰囲気がするだろうと思いました。
ちなみにランタンには三つ葉葵の文様(徳川幕府と関係が深かったため)、黄檗宗の黄の文字を変形した文様、等が付いておりました。
この建造物はすべてが重要文化財で、今となっては本国の中国においても失われてしまったものがここにはあるとのことで
修理や維持について日本政府のみならず中国からも援助されているとのことでした。
建造は徳川幕府4代将軍家綱の援助によるもので、初代から13代まで住職は中国からいらしていたとのことでした。
私達が訪問した時には中国のテレビ局が番組の制作のために来ていらっしゃり、ドローンも飛ばして映像を撮っておられました。
また今年の末から中国の歴史小説『水滸伝』のロケが万福寺において行われ、来年2月頃からyou tubeなどで視聴できるので是非に見て下さいとのことでした。
しかし、『水滸伝読んだことはあるけれど覚えてないな…。どっちかと言うと三国志の方が記憶に残っているな…。』と言うのが私の正直な感慨…。
これが萬福寺のシンボルとも言われる有名なかいぱん、もう漢字が難しいのでひらがなで…。
これも隠元禅師が中国から持ってきたものらしいです。
魚の形をしている理由は魚には瞼がないので当時魚は眠らないと考えられていたとのこと、それにちなみ眠らず禅の道に励め!との彼の教えを伝えるためのものであったと。
口にくわえている丸い球は人間の煩悩を象徴し、儀式のときなどにおなかの部分を叩いてそれにより煩悩を吐き出すように、との教え…とのことでした。
しかし、ここで煩悩…英語にどう翻訳するのか????で、住職様と私がハタと困ってしまいました。
人間の心の中の悪の部分、妬みとか怒りとか…と二人で言いながら『それだけでもないんだけれど、非常に抽象的な思想で表現が難しい!!』と投げ出し、ごまかしました。
このかいぱんが木魚に進化した、とのご説明でした。
お寺の写真は一杯あるのだけれど、それよりも普茶料理の方…
料理の内容について萬福寺ホームページ、食すをご覧になって下さい、詳しく書かれています。
写真左のお皿から 胡麻豆腐、住職の方が作っておられるそうです。通常のものより濃いと感じました。
中央はしゅんかんと呼ばれる野菜の煮合わせ…そして一番右がしんつあいと呼ばれる浸し物、インゲン豆。
で、インゲン豆は隠元禅師が中国から日本に来る時に持ってきたものだと今まで全く知りませんでした。
ここで面白かったのは 野菜の煮合わせの中のこれ!
お皿にある時にはかまぼこの様に見えたのですが小皿に取り、よくよく見てみると………山の芋でした♪
で次のお皿…。栗もどきは栗でしたが、柿もどきはカボチャでした、そしてから揚げもどきは???何だったか忘れた!!
これは味付けの天ぷら、でも日本の天ぷらと異なりから揚げ…
覚えている範囲で 赤いものから時計回りに
赤いのは生姜とコーン、その隣はリンゴもどきとごぼう蓮根。リンゴもどきは実は大根、(りんごの好きな主人は騙されて嫌いな大根を食べる羽目に…)。その隣の緑は子芋、そして紫がかっているのは湯葉 その隣の丸いのは豆腐を丸めてピーナッツもどきをまぶしたもの、そして再びリンゴもどき、ゴボウ、蓮根。 中央の丸いのは梅干し…。
写真の様に人数分がまとめて一つの皿に盛られて出てきます。これも普茶料理の習いなのだとか。とり箸、及び箸置きもありませんでした。
これはうんぺん(雲片)と言い、調理で捨てられる部分の野菜を集めて細かく刻んで葛でとじたもの…(案外美味しかったです)
これは食物が供されるまでの人々の苦労及び施主の恩に感謝し食物を余すところなくきちんと頂くように、と言う考えに基づく料理だそうです。
いくつか写真撮り忘れた料理があります…。ですので、本当の量はもう少しあります。
漬物のひょうたんが可愛かった♪で、ご飯はシメジご飯が出たけれどもう完全にアウト!
で辞退…
で、ご飯の前に出たかば焼きもどき…絶対にかば焼きではないのだけれど
何かしら????と言うことでこっそり持ち帰って来ました。あとで食べて一体何なのか確認します…
最後の甘いもの…
これは辞退せず、主人が二人分食べてました♪
と言うことで本日とっても楽しい時間を過ごしました。
宇治市にあるのでよかったら抹茶パフェでも食べて帰る?と初めは言っていたのですが、二人ともお腹にその余裕はなくお寺から一路河内長野に帰って来ました♪
萬福寺、境内がとても静かで落ち着いた清逸な雰囲気にあふれています、さすが禅寺と感心しました。
植栽はほとんど松のみ、そこに禅寺特有の装飾の少ないシンプルな建物が左右対称に建っています。非常に落ち着いた雰囲気を漂わせています。
機会があればお訪ねすることをお勧めします♪
少し、心が洗われ、落ち着く感じがするかも…