続からの続きを書いて行きます。

電話に出ている京都北署の警官の方に

『今着物に着かえ中なので、身動きできない状況なのでこちらに上がってきていただけますか。』と言うと

『わかりました。』との答え。そのまま『で、一体何の話なんです?』と尋ねると『大したことではないです。』と答えられる。

で、とりあえず降りないといけないだろうなと考えてその準備をしていると、今度はアパートの管理人さんがやってきた。

『旦那さん、何か自転車と衝突したみたいよ。』とそして現場に行くように強く勧める。

『車にコンピューターを置くために降りた人間がなぜに自転車と衝突しているんだ???』

全く状況は飲み込めない。

すると上がってきた警官の方とエレベーターホールで鉢合わせ。再び

『一体何です。』と聞くと『何も問題はないのです。』とお答えになる。

その答えを聞きながら『何も問題ないならここまで上がって来ないだろう???もう現場に行くしか仕方がないか。』

そのまま警官と一緒にエレベーターへと乗り込む。

あわてたので、ブラウスの下には下着を全く身に着けていないからなんとなくスース―するし、ブラウスはスカートの中に押し込まれていないし、ストッキングも身に着けていない。

何とも締まりのない恰好で、私的に心地悪い恰好であることは間違いない。

アパート横の車を停めた場所に行くと、何と十人もの警官。

警官が乗ってきたと思われる自転車、バイク、通常パトカー挙句に覆面パトカーまで…路上一杯に止められている。

そして多くの近隣の人が少し距離を置いて立ち、興味深そうにさらに相当に野次馬根性を表情に浮かべて立ち話をしつつ、状況をじっと眺めている。

『何があってこんなひどい状況になっているのよ!!!』

と、傍らを見ると何とも言えない顔で主人が立っている…。

しかし私が何とかするであろうと期待一杯の、そして安堵した表情を浮かべている。

と、頭がくらくらしそうな状況。

『とりあえず、落ち着け美智子!!!』と自身に心の中で叫んでこの何とも表現のしようがない状況の把握に乗り出す。


『一体どういうことなのです?』とまず口を切った。

すると一人の背が高い、細面の天然パーマの警官が話し始めた。

『実は最近強盗事件が頻発していてその現場で目撃された車と似た車が止まっているとの通報がありましたので。』

再び『へっ!』まず頻発している強盗事件の車の似ている車って、私達4月9日以後京都に来ていない。

それに似た車って現場で車を目撃した人間がこの近くにいて、私たちの車が似ていると通報したのか。

私達と同じ白のプリウスは阿保ほど走っている。

その車を全部調べているの??似た車?どの点から似た車と判断したの??

こんなにたくさんの警官が出動した判断基準は一体なに?

ナンバーが和泉だから…???それも無理がある。ナンバーの数字の情報をつかんでいる??

でもあんまり使われていないナンバーなんですけれど…!!!

このナンバーは亡くなった母との思い出につながるナンバーを私が特別に指定したもので

他の人がおいそれと使うナンバーではない…。そのことはディーラーが散々口にしている。

色々納得のいかない点はあり、突っ込みたい点、問い正したい…はあるけれども

ここでは大人しくしている方が賢明だろう、と判断してとりあえず猫被ることを決意する。

『この車の所有者はどなたですか。免許書を見せていただけませんか。』と一応彼らは依頼口調では来る。

『なんで見せないといけないのよ。私何も違反もしていないのだけれど、令状持って来いよ。』

という心の声は押し隠して、免許書を取り出す。

しかし一矢報いずにはおくものか!

『免許書はこちらに。

それからこれは私の名刺です。

それからドライブレコーダーには私たちの動きが記録されている筈ですからそれを持ち帰って調べてもらっていいですよ。4月9日以降京都に来ていませんから。』

後の主人からの話によると、名刺を見て彼らの態度が若干変わった!!と…。

しかし、また

『車の中を調べさせてもらってもいいですか。』

などと言い出した。

『令状持って来いよ!!』という私の心の声は更に強く押し殺して、発せず

『どうぞ、ご希望なら。何も出てきませんですがね。』

と目一杯の皮肉を込めた。

しかし主人の座席の横のドアポケットから小さい袋に入った白い粉が出て来た…。

  写真は大田神社のかきつばた…。