
これが朝食会場…。



左から、事前にテーブルにセットされていた副菜、中央納豆、右後に配膳されたお豆腐と味噌汁…。
味噌汁は寒いところなので味が濃いのではないか、と少し不安でしたが
とても良いお味を出していました。
お豆腐も自家製ではないかと思われるくらい美味しかったです。
で、これからどうするか…。
乳頭温泉峡は鶴の湯の外にも湯治場があって
その間をマイクロバスが循環しているのだけれど。
夏の間であればこのバスがなくても緑を楽しみながら歩くことは可能だけれど
今の気候でのそのそ歩いていては
人間雪だるまができてしまう…。
かといって一か所で降車したのちは次のバスが来るのは一時間後…。それも勝手が悪い。
と言うことで今回はチェックアウトとほぼ同じ時間に宿を脱出、して秋田空港を目指してゆっくりと移動としました。
ちなみにバス屋根の上に風呂桶が載っています。
そんなことしなくても分かると思うけど…。

来たのと逆の経路で旅館のバスで停留所まで送ってもらい、そこから路線バスに乗り継いで田沢湖温泉駅へ…。
そして秋田新幹線に乗車して、次の角館まで…。
ここで、
『一駅だから新幹線でなくてもいいのにな。ローカル線はないのかな?』
と思いながら時刻表を眺めてもローカル線らしきものの表示は全くない。
『もしかすると、ここはあのゆっくりした新幹線しか走っていないのか???』
自販機を見ると新幹線の指定席切符とは別に在来線の近距離切符の自販機がある。
角館までなんと一人380円…。これで新幹線が乗れるの???
改札直前に駅員さんらしき人が出てきたので、その旨尋ねてみると
『追加が必要です。』の答え…。
『じゃ、二人分の追加、角館まで。』
で、『現金でいいですか???』
実は380円の切符も自販機を使ったけれどクレジットが使えなかったのよね。
ここはまだ現金の世界か、と心の中でつぶやきつつ…。
で、二人分1500円ほど現金で支払った!
で、その金額で買えるのは立ち席特急券。
空席があれば座れるし、なければ立っていなければならないという代物。
東北に行くときは現金を持って行かないといけないのだと教訓。
今度はのんびりと田沢湖の伝説などを新幹線車内で主人に説明しつつ…。
角館に行った理由はここに有名な武家屋敷跡があるから…。
武家屋敷跡は金沢でも萩でも主人は見たことがあるから
特段に見せたいということはなかったのだけれど、
それにここの武家屋敷はどちらかと言うと桜の時期に行く方が良いらしいけれど
他に行くところもなかったので…。


上記の二枚の写真は以前上げた竜の置物とともに角館駅の飾り…。
前田 利家の人形の後ろにある写真が武家屋敷の桜の盛りの時の写真、
後自信ないけれど梶原景時と前田利家と時代がとっても違うのではない?
と思ったけれど詳しいことは突っ込まず…。
一応、角館から秋田までの新幹線、今度は賢くなって立ち席特急券で二人分購入。
駅のロッカーに大型かばんを放り込んで『いざ、出陣!!』
乗車したタクシーの運転手さんに
『どこでもいいから適当なところで降ろして。』と。すると
『見学するご予定は?』
と聞いてこられた。
『何もわからないから、おすすめの所を教えて下さればいいですよ。』
で、彼の一番のおすすめは休館だったらしい。で、二番手のおすすめの前で降ろしてもらえた。
それが青柳家と言う建物だったらしい。
200石取りでって言われても今の収入レベルはわからない
ただ邸内の敷地は3000坪、広いとみるか狭いとみるか、わからない??



写真左から門、中央及び右母屋の襖絵、狩野派の絵師を招いて自宅に滞在させて描かせたものらしい。



かまどと武具
甲冑を着ていたということはやはり身分としてはかなり高い方だったのかな???



それよりも私にとって興味があったのは上段左、解体新書。
杉田玄白、前野良沢、中川淳庵らが試みたオランダの解剖書ターヘルアナトミアの日本語翻訳の筈。
年代は覚えていないけれど、江戸の鎖国時代オランダの解剖学書が偶然手に入る、そしてその内容を確かめるために
小塚原刑場にて刑死者の腑分けを見、その正確なことに驚き、翻訳を試みる、
と言ういきさつで翻訳され出版された解体新書。
解剖学書なので当然絵が必要なのだが、その絵を描いたものについては私は全く知識がありませんでした。
その絵をほぼ一手に引き受けて描いたのが写真右の小野田直武と言う人物
と言うことを今回この青柳家を訪問して初めて知ることとなりました。
中央は彼が絵を参考にしたドイツの解剖学書、との説明がありました。
おそらく難事業だったと思いますが、彼自身は32歳にして原因不明で死亡していることを知り
時代にあまりに先駆けた才にあふれた人間の不幸を見るように感じました。
余談ですが、私は解剖学が非常に苦手…。
文字の知識は簡単に覚えることができるのですが、絵画的な情報が全く覚えられないのです。



左はフランスのナポレオン3世から贈られたフランス風の軍隊服を着た徳川慶喜の写真、中央は遣欧使節団が撮った建設中のエッフル塔写真、右は外国の船を下関にて砲撃していた長州藩が五か国の連合艦隊から砲撃された下関戦争の写真
等々…。
歴史的に興味深いものがいくつかありました。
その後角館駅から、秋田駅、秋田空港…。
秋田空港は乗るはずの飛行機の到着が遅れたために出発が25分遅れて秋田空港を離陸しました。
結果、最初から最後まで時間遅れに祟られた旅でした。まあ、この時期なので仕方ないか…。